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英語を学ぶ背景と学習法を書く意味
エンジニアや研究者にとって英語が使えることは大きなアドバンテージです。 他の職業にしても、英語が使えると有利になることは多いだろうと思います。 だからこそ巷にはたくさんの英語学習法があり、このようにしたら喋れるようになるといった言説があふれています。 中には聞くだけで英語が理解できるようになるなどと、魔法のような効果を喧伝するものすらあります。 このような自分の経験と乖離する英語学習法をみるにつけ、せっかくのやる気と時間とお金を効果的と思えない学習方法につぎ込むのは もったいないと感じます。 なのでわたしの思う効率的な英語の学習方法を記録しておきます。
ちなみにそんなことをいうわたしの英語の実力はというと、一人アメリカ出張に放り込まれて1か月インド人・フランス人とルームシェアしながら アメリカ人チームとロケット打ち上げ実験をしたり、海外研究者から英語がうまいと評価されたことがあります。 定量的ではありませんが、バイリンガルでもなければ英才教育を受けたわけでもないわりに、そこそこ喋れる方ではないかと思います。
一番大事な原則
1. 簡単なショートカットはありません
まず最初に一番大事なことですが、英語はすぐには身に付きません。 残念ですが、一朝一夕で英語が喋れるようにはなりません。 しかし、コツコツと学習を積み重ねていけば、あるときフッと理解できるようになります。
2. 完璧でなくてもいい
英語は簡単にはマスターできませんが、かといって完璧である必要もありません。 その時々でわかる範囲で話せばいいのです。 わからない単語や文があったら、調べたり聞き返したりすればよいのです。 ちなみに会話の中で内容が分からなくなったときのテクニックとして、“Sorry?“と語尾を上げて聞き返すというのがあります。 こうすれば相手は言い換えるか、少なくとももう一度同じ分を話してくれます。 また、特定の単語が聞き取れなかった場合は、わからなかった単語をwhatで置換して聞き返すとよいです。 例: I received reimbursement of travel expenses. reimbursementが聞き取れなかったとき→ You received what?
3. 読みはすべての基礎
読み書きに時間を割きすぎて話す練習をしていないから英語が喋れないのだという論調を見かけることがよくありますが、これは間違いです。 英語が喋れないのは話す練習をしていないからではなく、そもそも読みの速度と精度が足りないからです。 ノンネイティブが外国語として英語を学ぶ場合、読む力がすべての基礎となります。
具体的な学習方法
これらの原則を頭に置きつつ、具体的な学習方法を書いていきます。 この学習法に順番は特になく、取り組みやすいものから順に始めて並行していくのがよいです。 それぞれの学習成果がほかの学習の効率を上げてくれます。
高校英語をマスターする
高校英語のカリキュラムは結構よくできている。 高校英語の範囲の英文法と単語をマスターすれば一通り基礎が身に付く。
洋書を雑に読む
大量の英語の文に慣れ、圧力に負けないようにする訓練です。 また、こまごまとした単語が分からなくなっても文脈から意図を読み取る練習も兼ねています。
短い文章を細かく精緻に読む
あまり長くない文章を細かく読んで、精緻な文法・語法の分析力をつける訓練です。 文型(SVとかSVOとかいうやつ)は何で、主語はどれ動詞はどれ、これは副詞でそれはあれに係る形容詞、など文法構造をすべて説明しながら読む。 また、文意の通らない単語は辞書で調べて、何番目の意味なのかまで特定する。 これは大変なので、一回にやるのは10行くらいでいいと思う。
音読する
英語はリズムが大事なので、音読する。 文法構造の理解がリズムや抑揚にでるので、聞く人が聞けば文を理解しているか音読からわかります。 恥ずかしいとかいう感情を捨てる、諦めましょう。 そんな思いは英語をしゃべるという目標の前ではどうでもいいよいことです。 最初から人前で読み上げる必要はありません。 自信が出るまでは自分の秘密にしておいてよいです。 ただしできれば自分の音読を録音して聞き直してみましょう。 最初はひどいものだけど、続けていくとかなり変わってきます。
シャドーイングする
シャドーイングとは誰かネイティブが喋っている映像を聞きながら、同じ内容を声に出して追っていく練習方法のことです。 最初はめっちゃ忙しくて、ついていけないと思います。 でも続けると追えるようになるかも。 これと音読を交互にやると、自分とネイティブの違いが理解できてよいです。
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